オンライン家庭教師をしてよかったこと

オンライン家庭教師を続けて、これを書いている時点で1年半が過ぎたところ。

それに関して1番のイベントと言えば、生徒と実際に会う時や。

 

初めてオンラインの生徒と会ったとき

いちばん初めに会ったのは、カナダに行った時。いや、正確に言えば、生徒にカナダに来るように招待されたんや。

その時は驚いた。当時はアメリカにいて、日本に帰ろうかとしていたころ。その時、ちょうどアメリカの大学を卒業するときで、リサーチのインターンも大学院も全部ダメやって、とりあえず日本に一旦戻ろう、と考えたところやった。

旅行する予定もなかったから、カナダに行くことにした。その時のことは、また別の機会に書くとして、本当によくしてもらった。自分の親ほどの年齢のおじいちゃんの生徒やったけど、とても日本が好きで、バリバリプログラマーとして働くスマートな人だった。

その人が、僕が滞在する4日間、仕事も休んで僕を世話するというんだから、余計驚いた。

その時の経験があったから、今度もし生徒が日本に来たら、最大限のおもてなしをしようと思っていたんだ。

“Pay it forward”

 

カリフォルニアからの生徒

今回、カリフォルニアに住むエンジニアの学生が日本に来た。

前々から来るとは聞いてたけど、いざもう来ているんやと考えると感慨深いもんがある。

しばらくの間、日本に来るためにスカイプを使って一緒に勉強し、その彼がいま日本にいる。

素晴らしいことだと思った。

僕は、行きつけのバーに彼を連れて行った。別に特に日本らしいバーとかではなく、マスターが僕の元上司やからよく行かせてもらっているだけや。その元上司のマスターはおもしろくて、とても良い人なので信頼してるし、そこに来るお客さんも楽しい人が多い。

観光客が行きたがるようなTHE Izakayaではなく、良い意味でローカルな場所に連れて行ってあげたかったんや。

ほんだら、事は上手く進んだ。

カリフォルニアから来た彼は、車のエンジンとか、船とかが好きなんやけど、僕は全くの門外漢。

いつも「僕はエンジニアじゃなくて、純粋な物理なんで」と言って、会話を濁す 笑 ←全然理由になってへん!

でも、そのマスターとお客さんたちは違った。

大体40代ぐらいの男性が多かったんやけど、みんなその生徒の好きなものに共感し、そしてなぜかコテコテの大阪弁やのに、話が通じてる。

彼の日本語はかなり上達していたけど、大阪弁はわかるはずがない。僕がレッスン中にがんばって標準語を話していた努力はなんやったんや…

共通の趣味があるというのは、コミュニケーションにおいて大事なことなんやと気づかされた瞬間やった。

ともあれ、彼がとても楽しそうにしていたのは嬉しかった。

 

最後に、となりのおじさんとLINEを交換していたのはわらった。

 

実家に招待する

もうひとつやりたいことがあった。

それは、彼を実家に呼ぶことや。

彼に、普通の家の食事を体験してもらいたかったし、普段お客さんなんか来ない実家に外国人を呼ぶことで、家族にも違った空気を経験してもらいたかった。絶対楽しいやろと思った。

実際、めちゃくちゃ楽しかった。

もちろん家族の前やから、ゲスな話なんかせーへんし、ゲラゲラ笑い合うような楽しさではないけど、めっちゃ雰囲気の良い食事会やった。

家族と生徒の手前、僕の話す日本語も英語もなんか中途半端だった。そんな自分に苦笑しながらも、僕の家族も生徒もにこやかに過ごせて良かったと思った。

 

単調な実家の日常が一瞬鮮やかになったと感じた。

 

帰りは、2人で最寄りの駅まで一緒に歩いた。

これが最後かもしれないという気持ちがあったんやろう。彼はたくさんの感謝の言葉を伝えてくれた。

そして「アメリカに帰ってからはもうスカイプレッスンは続けない」とも言った。

そりゃそうだ。

彼は、日本に旅行するために僕と勉強してきたんやから。もう日本語を勉強する必要はない。

少し悲しい気分にもなったけど、お互い次のステージに進むということや。悲しむ必要もない。

 

ただ週に1~2時間スカイプでレッスンしていた関係が、実際に会って一緒に食事したりできるようになれたことに感謝した。

同時に、外国語を学ぶことの大切さを再確認した。

仕事のためとか、キャリアのためとかそういうのやなくて、ただ単純に人とのつながりが広がるのが楽しい。まだ全然へたくそやけど、英語でコミュニケーションが取れるようになったことにも感謝した。

 

オンライン家庭教師を続けようと思う。

本腰入れてからまだ間もないけど、一生続ける価値があると確信した瞬間だった。

 

彼を見送った後、自宅に帰る途中に雨が降った。

興奮した心と体をクールダウンさせるにはちょうど良かったかもしれないけど、次の日朝のレッスン寝坊するには充分疲れさせてくれた。

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