量子力学の始まり
量子力学と言えば、原子の内部など小さなものを扱う時に使われる物理学である。光の速さ\(3×10^8[\frac{m}{s}]\)に近いものや、そのスピードに伴って大きくなる距離などを扱う時は相対性理論という物理学があるのだけど、この量子力学と相対性理論は物理学の中で特に輝いて見える憧れの学問といった感じだ。
そういう輝かしいイメージがあるだけあって、理解するのは簡単じゃないようだ。
実際、大学で量子力学という授業を受けていたけど、結構初期の段階からただ黒板に書かれている数式を書くだけの退屈なものになってしまった。なんか難しい計算はできるようになったのに、何ひとつ「なぜこの計算をしているのか」全く理解できていなかった。
数学や物理を学び始めるのは遅かったけど、絶対に理解してやると意気込んで受けていた大学の授業もその時は苦痛でしかなかった。何をしているかわからず、その場にいるというのは、精神衛生上全然良いものではない。
相対性理論を少しかじっていると、光という存在がこの世界でどれだけ特別なものかが理解できるようになってきた。もともとはアインシュタインが光とはどういうものだろうかと、考え始めたことが相対性理論の始まりであった。
相対性理論の記事を読んでみたいという方は
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量子力学も光が事の発端のようだ。
当時から光は粒子か波かという議論が行われていたそう。
初めはヤングの干渉実験やマクスウェルの電磁気学の知見から、光は波の性質があることが判明していたので、光は波だということで一応の落ち着きがあったようだ。
しかしその後、光が粒子だということが伺えるいくつかの事例が出てきた。
それは、プランクの黒体放射、アインシュタインの光電効果、コンプトン効果がそうだ。
どれも従来の古典力学では説明付かないことが、プランク定数\(h\)というとても小さな値の定数を取り入れることで、説明することができるようになるのだ。
この
プランク定数\(h\)というとても小さな値の定数を取り入れること
の意味を僕はよく理解してなかったようで、いくつもある定数のひとつという感じにしか思っていなかったんだけど、この小さな値を定数として数式に入れないと実験結果と合わないどころか、これが光が周りの世界と\(h\)という小さな小さな値を単位とする(連続的でない)粒子のようなものでエネルギー送ったり受け取ったりするやり取りをしている、という証拠になっているのだ。
この\(h\)を単位とする小さな粒子的なものでやりとりを量子という言葉を使って表現しているのだ。
このことを頭に入れて、これから取り上げるプランクの黒体放射、アインシュタインの光電効果、コンプトン効果のことを考えると、より良く理解できるかもしれない。
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