これから宇宙を個人的に勉強する方法を考えていきたいと思う。
というのも、宇宙を勉強しようと思ったら、専門の学校に行かなければならないのではないかと思うのが普通である。実際、LIGOという研究団体が重力波検出し、ノーベル賞を受賞したニュースはまだ記憶に新しいが、全長4Kmの施設を3か所稼働させて、やっと重力波を検出したのである。そういった最先端の研究をするなら、協力校の大学院に行くなり、研究者としてLIGOで働くほかないと思う。しかし、そうまでしなくても宇宙を自分自身で勉強することができると信じたい。だって僕らは宇宙の一部なんだから。宇宙を勉強する方法はいくらでもあると思いたい。
宇宙を勉強するとは、具体的にはどのようなことを示すのだろうか。先ほど、僕が言ったように「僕らは宇宙の一部」という言葉を真面目に受け取るならば、テレビに出ている有名人が誰と浮気したとかいうゴシップ記事を熱心に読むことも、広い意味で宇宙を理解していることになるのかもしれないが、ここではそれを宇宙を勉強するとは捉えないことにしよう。
ところで「Big Bang Theory」というアメリカのドラマをご存じだろうか。「すべてを包括する宇宙を研究している僕に知らないものは何もない」と言う宇宙物理学者のDr.クーパーに対して、物理学とは全く無縁の生活レストランのサーバーとしてバイトするペニーはこう尋ねる「じゃあRadioheadって知ってる?」それに対して、Dr.クーパーは苦し紛れに「…僕は宇宙の大事な部分だけ集中しているのだ」と答えたのだった。
それから宇宙に関することだからと言って、太陽の組成や星までの距離をただ羅列するのも面白くない。それはこれまでの科学者が血と涙を流しながら努力してきた結果だ。彼らの努力に感謝していないという意味ではない。その結果の数値や割合を、素人の僕らが眺めたり暗記することに何の意味があるのだろうと思うのだ。僕がまだ小さかったころ、宇宙の大辞典なるものを親に買ってもらったことがあるが、そこにはどうやってそれらの事実が得られたかという内容はほとんど書かれていなかったと思う。
ここからは個人的な趣向になるのかもしれないが、結果を得るまでの科学的手法を吟味することこそ、科学を楽しむことの醍醐味のひとつだと考えている。こういう風に書くと、まだ僕が先人たちが積み重ねてきた科学の知見を軽視しているように聞こえるかもしれないが、もちろんそんなことは決してない。僕らがこうしてハイレベルな内容の物理学を学ぶことができたり、現代テクノロジーの恩恵を受けられるのも、全て人類が頑張ってきたおかげである。決して僕ひとりで成しえられることではない。
しかしそうして科学が発展してきた分、ごく基本的なことでさえ、素人の僕らにはわからないことがたくさんあるのである。例えば、「地球が太陽の周りを回っている」というのは小学生でも知っていることだ。もし「太陽が地球の周りを回っている」と言いようもんなら、バカにされたものである。でも果たして、どれだけの人が「地球が太陽の周りを回っている」ことを証明できるのだろうか。僕が空を眺める限り、地球側が太陽の周りを回っていると考えることはできない。それを証明するためには、思ったより複雑な計算が必要なのだろう。
だから初めのうちは、そういった当たり前の事実を、どんな科学的手法を使って証明してきたのかを、僕自身勉強して紹介していきたい。そして可能な限り、科学的手法を再現して、実際に事実と一致するのかを見ていきたい。
“科学者が自然を研究するのは、それが役立つからではない。科学者が自然を研究するのは、その中に喜びを感じるからであり、そこに喜びを感じるのはそれが美しいからである。”―サイモン・シン
宇宙を勉強するとはどういうことかを個人的に模索中です。下の記事も読んでみてください。
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